わが人生最高の10冊(「週刊現代8/31号」より)

降旗康男(映画監督)
 他人事とは思えなかったカミュの『ペスト』
降旗康男さんのベスト10冊
1位 『八点鐘』

八点鐘 (アルセーヌ・ルパン全集 (14))

八点鐘 (アルセーヌ・ルパン全集 (14))

ルパンが25年前の殺人事件の謎を解いたのを皮切りに、姿のない犯人を求めて8つの謎を次々解明していく連作短編集
既読
2位 『ペスト』
ペスト (新潮文庫)

ペスト (新潮文庫)

ペストに襲われた市を舞台に、苦境のなかで団結する民衆たちを描く。無慈悲な運命と人間性が問題提起される永遠の名作
既読
3位 『ことばたち』
ことばたち

ことばたち

散逸していた自由詩・散文詩などをまとめ、出版されるやフランス文壇の事件に。スタジオジブリ高畑勲監督の訳注もいい
4位 『復興期の精神』
復興期の精神 (講談社文芸文庫)

復興期の精神 (講談社文芸文庫)

「これだけレトリックを駆使する人には敵わないと、僕が物書きになるのを諦めさせられた本」
既読
5位 『「邪馬台国」はなかったー解読された倭人伝の謎』日本の思想史学者であり、古代史研究家である著者の邪馬台国論争の仲でも話題となった作品
6位 『ものぐさ精神分析
ものぐさ精神分析 (中公文庫)

ものぐさ精神分析 (中公文庫)

「物の見方を一刀両断に切り開いてくれた本。今でも迷った時には助けてもらっています」
既読
7位 『夜の橋』
夜の橋 (中公文庫)

夜の橋 (中公文庫)

「3カ月間の豪州ロケでほぼ読了した藤沢作品の中から、僕の好きな町人物の代表として選択」
既読
8位 『地の果ての獄』(上・下)「正義感あふれる若い看守の話ですが、『新網走番外地』でもこういう話をやりゃよかったな」
9位 『マッケンドリックが教える映画の本当の作り方』
マッケンドリックが教える映画の本当の作り方

マッケンドリックが教える映画の本当の作り方

「学生に教えるような構成で、このように人に伝えれば映画は上手に撮れるなと感心しました」
10位 『ひろしま
ひろしま

ひろしま

「原爆で亡くなった人の悲しさ、無念さが焼けた時計や眼鏡に魂として宿っている忘れ難い作品」
既読
最近読んだ1冊:『戦後史の正体』
戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)

戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)

「対米自主路線と対米追随路線という2つの外交路線から戦後史の日米関係を見た興味深い本。
僕がそういうことではなかろうかと思っていたことが、事実に即し、しかも実証的に書かれている。まさに戦後の正体を端的に描いていると思います」
既読