わが人生最高の10冊(「週刊現代7/20号」より)

かわぐちかいじ(漫画家)
 明治の文豪が描いた時代を超える普遍性
かわぐちかいじさんのベスト10冊
1位 『それから』

それから (新潮文庫)

それから (新潮文庫)

「先生」と呼ばれ、30歳にもなっても定職につかない男の三角関係の恋愛を通して、明治の高等遊民の姿を描き出した名作
既読
2位 『されどわれらが日々ー』
新装版 されどわれらが日々 (文春文庫)

新装版 されどわれらが日々 (文春文庫)

1955年の「六全協」後、革命を志した若者は敗北感とともに迷走していく。全共闘世代のバイブルとなった青春小説
既読
3位 『完全版 漫画家残酷物語』(全3巻)
漫画家残酷物語・完全版(1) (その他)

漫画家残酷物語・完全版(1) (その他)

「漫画界の太宰治」と呼ばれた著者の代表作。生活に窮しながら漫画を描き続ける若者群像など、貸本劇画誌掲載の短編集
4位 『黒澤明クロニクル』
黒沢明クロニクル

黒沢明クロニクル

「撮影現場すらも絵になる。目にしたことのない黒澤監督を本を通してみることができる」
5位 『日本辺境論』
日本辺境論(新潮新書)

日本辺境論(新潮新書)

「日本人とは何ものか」という大きな問いに、今の世代の言語で答える日本論の金字塔
既読
6位 『竜馬がゆく』(全8巻)
新装版 竜馬がゆく (1) (文春文庫)

新装版 竜馬がゆく (1) (文春文庫)

「作品の登場人物をリアルに描こうとするようになったのは、この本の影響ですね」
既読
7位 『レディ・ジョーカー』(上・中・下)
レディ・ジョーカー 上 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー 上 (新潮文庫)

「犯人と警察と企業、三者を描き出した力作。特に企業側のトップの苦悩がリアルだ」
既読
8位 『大地の子』(全4巻)
大地の子 一 (文春文庫)

大地の子 一 (文春文庫)

3年にわたる綿密な現地取材によって書かれた、中国残留孤児を主人公とする大河小説
既読
9位 『砂の女
砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

安部公房には日本的情緒を土台としない、外側から見抜いた日本の恐さと面白さがある」
既読
10位 『昭和史発掘』(全9巻)
新装版 昭和史発掘 (1) (文春文庫)

新装版 昭和史発掘 (1) (文春文庫)

「よく知ってるはずの二・二六事件も清張が書くとより暗くて恐い。そこに惹かれます」
既読
最近読んだ1冊:『デッドマン』
デッドマン

デッドマン

横溝正史ミステリ大賞受賞作。「人間の本質は脳か身体かを考えさせられたサスペンス小説。フランケンシュタインを想像させる連続殺人事件を題材にしながら、ユーモアもある。作者は旧知の編集者で、こんなことを考えていたのかと驚きました」