絵本玉手箱No.41 第1回anmoが独断で選ぶ絵本大賞:日本の絵本部門

絵本玉手箱を開いたら、平原綾香さんが歌う♪威風堂々♪とともに『もりのおくのおちゃかいへ』が出てきましたよ。

もりのおくのおちゃかいへ

もりのおくのおちゃかいへ

「雪の朝、キッコちゃんは森のむこうにあるおばあちゃんの家へケーキを届けに出かけます。ところが、途中で転んでしまい、ケーキはぺちゃんこに。泣くのを我慢しながら歩いていくと、見たことのない館にたどりつきました。そっと窓をのぞいてみれば・・・。読者をふしぎな体験へ誘う、とっておきの絵本です。」(出版社の内容紹介より)
子どもにとっては、大切な用事を頼まれることって、最初はウキウキした気分でも、途中で不安になってベソをかいたりして、一つの大冒険ですよね。それでも何とか無事用事ができたときの嬉しい気持ち・・・このような体験は、誰にもあることでしょう。
あなたの大冒険の思い出を、きっと主人公のキッコちゃんが蘇らしてくれると思います。
おばあちゃんの家にケーキを届けに行くキッコちゃんが、雪の森の中で動物たちに助けられながら、無事ケーキを届ける。メルヘン的であり、どこか昔懐かしいお伽噺のようなお話です。
木炭画で描かれた黒と白の世界が、しんとした冬の空気の冷たさを表し、キッコちゃんの帽子や手袋などの赤と黄色の刺し色が温かさを感じさせてくれ、しっかりとしたデッサン力で背景や動物たちの表情が丁寧に描かれています。
おそらく日本での、優れた冬の絵本の一冊として取り上げられる作品になると思います。
『もりのおくのおちゃかいへ』は、みやこしあきこさんの2作目の作品ですが、次回作はどのような作品を書いてくれるのか楽しみな絵本作家です!(*^.^*)
my Classics2

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《今日の谷川さん》
だんだん嘔気がこみあげてきた/これはゴムびきのレインコートの匂いのせい/そんなものはここにはないのだが/外では雨だけは本当に降っている/シトシト