わが人生最高の10冊(「週刊現代3/9号」より)

原田宗典(作家)
 88歳でも現役だった武者小路実篤の偉業
原田宗典さんのベスト10冊
1位 『字通』

字通

字通

『字統』『字訓』に続く、漢和辞典の最高峰。漢字の成り立ちを追究、解明している。一人の著者の仕事としては神業と言える
2位 『武者小路実篤全集』第11巻(書影なし)
二千数百もの詩を網羅。「このボリューム。読まなくてもいい。パッと開けば暗示に満ちたものが必ず出てきます」
3位 『日本の精神鑑定』
日本の精神鑑定

日本の精神鑑定

阿部定や小平義雄、大本教事件や帝銀事件金閣寺放火事件など、極めて有名な裁判に提出された本物の精神鑑定の記録
4位 『角川類語新辞典』
角川類語新辞典

角川類語新辞典

「デザイン、編集、構成、解説と、何もかもが優れている。類語辞典の傑作」
5位 『小林秀雄全作品25 人間の建設』
小林秀雄全作品〈25〉人間の建設

小林秀雄全作品〈25〉人間の建設

「数学者・岡潔との対談。二人で日本の将来を心配しているが、その通りになってしまった」
6位 『日本の風俗 起源がよくわかる本』
日本の風俗―起源がよくわかる本

日本の風俗―起源がよくわかる本

「知っているつもりで実は知らない日本の作法やしきたりのことが、今さらながらによく分かる一冊
7位 『人生は楽ではない、そこが面白いとしておく』「老齢期の作を中心に編んだ画文集。この本を一読すると、何だか心が洗われたような気分になる」
8位 『殺人全書』
殺人全書 (徳間文庫)

殺人全書 (徳間文庫)

「題名通り、有名無名さまざまな殺人事件のドキュメンタリー集。文庫なのに殺人的ぶ厚さ」
9位 『宇野浩二伝』上・下「『大正文壇の三大事件』とされる宇野浩二発狂の核心に迫り、読者をぐいぐいひきこんでゆく」
10位 『自虐の詩』上・下
自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

「4コマ漫画とあなどるなかれ。5年間連載した成果が下巻に凝縮されている。ラストは涙」
最近読んだ1冊:『江戸散歩・東京散歩』
江戸散歩・東京散歩 改訂版―切り絵図・古地図で楽しむ、最新東京地図で歩く100の町と道 (SEIBIDO MOOK)

江戸散歩・東京散歩 改訂版―切り絵図・古地図で楽しむ、最新東京地図で歩く100の町と道 (SEIBIDO MOOK)

「江戸時代の地図が右ページ、左ページに今の地図が載せてあり、見比べながら散歩するとちょっとしたタイムトラベル気分が味わえる。昔は神田川が二本流れ、一本は用水路だったとか、城のまわりは『松平』姓が多いとか、小さな発見が満載」