わが人生最高の10冊(「週刊現代10/27号」より)

絲山秋子(作家)
 『調書』の主人公アダム・ポロは、一番古い友人です
絲山秋子さんのベスト10冊
1位 『調書』

調書

調書

人類最初の名前を持つ不思議な男(アダム・ポロ)が照りつける太陽の下、奇妙な巡礼を続ける。ノーベル賞作家のデビュー作
2位 『ミラー、ダレル往復書簡集』ミラーは若きダレルの手紙を一読して「ものを書く人」だと見抜き、二人の熱い親交が始まった。数十年にわたる書簡集
3位 『アレクサンドリア四重奏』Ⅰ〜Ⅳ
アレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌ

アレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌ

陰謀渦巻く地中海のアレクサンドリアを舞台にした四部作。
4位 『北』上・下
セリーヌの作品〈第8巻〉北  上巻

セリーヌの作品〈第8巻〉北 上巻

国家反逆罪に問われてフランスを追われ、亡命・逃亡生活を送った日々を虚実交えて描く
5位 『草野心平詩集』
草野心平詩集 (岩波文庫)

草野心平詩集 (岩波文庫)

「日本文学は苦手でしたが、詩は読みました。『蛙』は楽しい。これ以上に蛙を書く人はいない」
6位 『種の起源』上・下
種の起原〈上〉 (岩波文庫)

種の起原〈上〉 (岩波文庫)

「この本を無理して読んだから、日高敏隆さんはじめ、多くの動物学の本が面白く読めました」
7位 『星の牧場
星の牧場 (理論社名作の森)

星の牧場 (理論社名作の森)

「自分が主人公のモミイチに似てると思い、山の仲間に憧れました。今読んでも泣きますね」
8位 『虫とけものと家族たち』
虫とけものと家族たち (集英社文庫)

虫とけものと家族たち (集英社文庫)

「著者はロレンス・ダレルの弟。彼の本はどれもいいですが、この本は飛び抜けています」
9位 『心変わり』
心変わり (岩波文庫)

心変わり (岩波文庫)

パリからローマへ向かう列車のなか、離婚を決意していた男の心の揺らぎや回想を二人称で綴る
10位 『井伏鱒二対談集』
井伏鱒二対談集 (新潮文庫)

井伏鱒二対談集 (新潮文庫)

「井伏さんに会うのは父と私の共通の夢でした。叶わなかったので、対談を読みます」
最近読んだ1冊:『会えなかった人』
会えなかった人

会えなかった人

「実験的な小説ですが、センスがよく、どこも破綻していない。何度も読むうちに、色んなものが見えてきます。ものすごく考え抜かれて書かれていて非常に面白かったです。由井さんが今後、何を書かれるのか楽しみですね。次作が出たらすぐに読みます」