わが人生最高の10冊(「週刊現代5/25号」より)

横山秀夫(作家)
 人として試される瞬間を小説として描く
横山秀夫さんのベスト10冊
1位 『ガモフ全集』(全12巻)

科学を幅広く紹介。相対性理論をミステリー仕立ての寓話で子供にもわかりやすく説いた「不思議の国のトムキンス」が有名
2位 『火の鳥』(全13巻)
火の鳥 1 黎明編 (角川文庫)

火の鳥 1 黎明編 (角川文庫)

手塚治虫のライフワーク。その血を飲めば不老不死となると伝えられる火の鳥をめぐり、古代から未来まで繰り返される物語
3位 『君たちはどう生きるか
君たちはどう生きるか (岩波文庫)

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

父を亡くした中学生「ゴペル君」に、叔父さんがノートを介し、友達との付き合い方などを語りかける。戦前からの不朽の名著
4位 『ミステリー入門』佐賀潜 (書影なし)
「小学生のときに父の本棚から抜き出し、多少エロチックで背伸びして読みました」
5位 『家畜人ヤプー』(全5巻)
家畜人ヤプー〈第1巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)

家畜人ヤプー〈第1巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)

麟一郎とクララは円盤で未来帝国に連れ去られる。三島由紀夫澁澤龍彦が絶賛した奇書
6位 『二十四の瞳
二十四の瞳 新装版 (講談社青い鳥文庫 70-4)

二十四の瞳 新装版 (講談社青い鳥文庫 70-4)

戦争を挟んだ瀬戸内の島の女教師と教え子たちの交流を綴った名作。「心の清涼剤です」
7位 『二十歳の原点
二十歳の原点 (新潮文庫)

二十歳の原点 (新潮文庫)

「高校のときに読んで、胸が詰まりました。本を読んで泣いたのは、初めてのことでしたね」
8位 『小説帝銀事件
小説帝銀事件 新装版 (角川文庫)

小説帝銀事件 新装版 (角川文庫)

画家の逮捕は冤罪なのか?毒薬を用い、多数の死傷者を出した銀行強盗の真相に迫る
9位 『無知の涙
無知の涙 (河出文庫―BUNGEI Collection)

無知の涙 (河出文庫―BUNGEI Collection)

「合同出版の単行本を中学生のときに買いました。どの頁を開いても、叫びが聞こえてくる」
10位 『ツバメ号とアマゾン号』(上・下)
ツバメ号とアマゾン号(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)

ツバメ号とアマゾン号(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)

宝探しに、嵐の来襲。小さな帆船をあやつり、無人島を探検する4人の子供たちの冒険物語
最近読んだ1冊:『光る牙』
光る牙

光る牙

「人間を翻弄する熊とマタギの対決を描いた小説や実録モノを読んで以来、心に熊が棲んでいます。本作は巨大な熊と森林保護官の死闘。ぞくぞくした。読んでいる間、ずっと日高山脈に抱かれ、冒険者の孤独感を味わわせてくれる」